2021年 12月 03日

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孔雀の絵の話

小学1年か2年かの頃、初めて満足度MAXの絵を描いたことを憶えている。学校に提出用のポスターだったと思うけど、「孔雀」を描いた。子供ながら頭に浮かんだ孔雀は羽のひとつひとつの模様が綺麗なグラデーションになっていて、それが数えきれないくらい広がっていた。頭に浮かんでしまったのだけど、実際に自分自身が描ける自信が無くて、その自分の発想に震えてビビった。母親に相談したら、描きなさい、と言われたので描き始めたはいいが、羽の枚数を果てしなく描いてしまい、深夜になっても全然完成しなかった。間に合わないし完成する気がしなくて、僕は泣きながら描いた。母親がそれを見て、すごくいいから頑張って!みたいな言葉は忘れたけど、兎に角励ましてくれてたのは覚えてる。
明け方までかかってボロボロに泣きもって完成した絵は、孔雀がワッサーって羽をMAXに広げてて、顔は横向きドヤ顔、背景は真っ黄っ黄だったと思う。僕は生まれて初めて本気を出した。その絵はたしか大賞になり、家に帰って来なかった。記憶が曖昧だけど多分そんな感じ。僕、お勉強もスポーツも出来ない鈍間くんで(今も)、そんな経験した事無かったから、今でも鮮明に覚えてる。あの時描いた孔雀の絵が最高傑作で、未だにあれを超える作品は出来ていない。作品って絵に限らず、料理、音楽、なんでもいいんだけど、自分が考えて作る物のことです。イメージが湧いて、その通りにする技術がなかったり、イメージが弱かったり、殆どがボツ作だらけ。。

お店を始めて10年が経つ。どんどん先のイメージ膨らませたくて、過去振り返ってウダウダするのがアホらしくて、あの時の孔雀を超えていく何かを見つけたい欲が増している。隣りの芝は青く見えるし、人間関係面倒くさなるし、人と比べてしまえば落ち込んでる。水木しげるが言うようなことが何となく分かる年頃になったようで、好きなことに没頭してる時は幸福なんやな、とか、ふと思う。

えー何がいいたいのかと言いますと、最高傑作はまだ出来てないから気長にお待ちください?てことか。何か変だけど今はこんな気分です。よろしく。