ちょっと前と今

まだコロナ騒動がなかった頃、僕はバランス崩してて、お店辞めたいとか、あー無理だ、とか、しにたいーとか、しょっちゅう口にしてて、殆ど毎日泣いてました。こんなこと別に大したことなくて、実際死ねないし、ただただなんもかも鬱陶しくて嫌になってただけで、そんな何処にでもいるようなダメ人間やっただけです。ただの鬱。可哀想とか辛かったねとか慰める人たまにいますが、いや、そんなんちゃうねん、何と例えようのないダメっぷりでした。

厄年の年齢くらいに、自分の器の形とか小ささとかがもう目を背けられない程くっきり見えてしまい、自分自身にがっかりしてしまったんだろう。疲れたんだと思う。悪いときって悪い事ばっかり探して納得しようとする。エゴサして、批判的なコメント見ただけで、ああやっぱりな、となったり、振り込め詐欺にひっかかりそうになったりした。お店は今の方が格段に逆境にあるのに、半年ほどまでの方が壊滅的な精神状態で最悪だった。人と関わることが辛かったあの頃と、人と関わることが嬉しい今とは雲泥の差。

幾つか原因は分かってたんだけど、なかなか抜け出せなくて周りに迷惑をかけてどうしようもなかった。お店のイメージと自分が掛け離れ過ぎてて、もう無理だった。そんな僕がいきなり元気を取り戻せたのは、あるきっかけがあった。
ずーっとウジウジウジウジしてたら、ほんまに最低の数字が出た。過去最低日売上を更新した。その日はコロナで学校が休校になる直前の金曜日だった。見たことない数字だった。その時にああこんな感じにお店て潰れて行くんやろなぁと感じた。

とりあえず市役所行って何かしらの策出てないかなーと相談しに行った。係のお姉さんは親身になって話聞いてくれたんだけど、実際は直ぐ使えそうな策は全く無いことを告げられた。また数日後にハローワークに行って詳しい情報を得ようとしたけど、全然国は個人事業主のことアウトオブ眼中で、一瞬でも期待した自分はすぐに居なくなった。

その日だ。自転車に乗って、もう何もやることなくなって帰宅する道中だ。桜満開で風も気持ち良くて。終わったわと思ったら急に楽になって、全然辛くないしむしろ心地よいのに涙ボロボロ流してて、ゆっくり家に帰った。と記憶してる。

そっからだんだん腹たって来てもうて、現政権に、誹謗する匿名の暇人に、お店で何時間もべっちゃくって帰らない主婦どもに。はあ?おかしいやんけ、あー?て。そっからそっから、ムカついた話しとか理不尽な奴の話を嫁さんに愚痴り出し、徐々に元気を取り出して行ったわけです。だから、愚痴言うたり、政権批判したりするんも健康的な営みだと思うた。

今、コロナと政権に挟みこまれながら、なんとか回してる状態ですが、この怒りと、人の優しさのおかげで全くお店たたむ気ありません。苦し楽しい。思い通りには行かないのが人生なら、それはただ普通の人生なわけだし、波乱万丈でもない、平凡な人生て思う。

ちょっと前と今とこんなに振れ幅があるなんて、なんて適当な人間なんでしょう。阿保ですねぇ。

ちょっと前と今

コメントは受け付けていません。