ネットvs現実 最終話

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朝目覚めてスマホ見たらグーグルのクチコミ通知が届いていた。やな予感がしたんだけど、開けて見たら最低評価で、批判的な内容だった。
その日のクチコミは「顎マスクでずっと喋りながら盛り付けしていて不衛生」とのこと。朝からため息ついて落ち込みながら店へ向かった。
「ずっと」てのが頭にこびりついて離れない。たまたま味見して戻し忘れたのか、とか、ずっと?ずっとなわけない、とか、お客さん側は食後にマスクせずに長時間談笑してるのはオッケーで、店側はちょっと顎マスクしただけでネットで書かれる、とか、頭の中に言い訳ばかりが思い巡った。悔しくて情けないやら、ムカつくやら、気持ちがガサガサした。

直接クレーム受ける方があと腐れなくていい。その場で謝罪なり対応出来る。けど、ネットクチコミに対してわざわざこちらから謝罪する必要があるのか?確かに100対0で僕に非があるんだけど、こっちが頼んでないページに勝手にボロカス書かれて、勝手に通知して来て、そこまでしてお客さん達と交流せなあかんのかよ?ふざけんな、うっせーわ、。誰に対してキレてるのか分からないけど、現実では何も起こってないのに、ネットの隅っこで勝手に評価されてあーだこーだ言われ、それをこっちも勝手に見て勝手に傷ついて、こんなの何のためにあるんだ、病み子になるだけだから、距離を取ろう。

美味しかった!や、ボリューム満点!満足や、パンがふわふわ、や、そんな高評価の書き込みもたくさんあるんだけど、そういうの見てもウキウキしない。それなのに、たまにくる酷評ばかり気にして落ち込んでる。よく勝負ごとや、人生相談のアドバイスで、「切り替えて」てのがあるけど、僕には無意味に聞こえる。この悔しさとか、自分のダサさとか、怒りとか、そんな容易く片付けられてたまるか。重く受け止めて、一生忘れずに苦悩しながら明日も明後日も歯を食いしばりながら働くんじゃボケ。コロナが収束してもマスクしたんねんボケ、ああ悔しい、悔しくて眠れん、クソ!。。

そんなことでいちいちくよくよしながらちょっとずつちょっとずつ、毎日同じことを繰り返しながら、いびつで頑丈な心を鍛えてやる。10年20年30年経った時に、筋金入りの頑固じじいになり、老害扱いされ、誰にも真似出来ない哀愁漂う老舗で、ぶつぶつ意味不明な事いい、それにしてもなんだか魅力が滲み出てるような、そんな店にしたい。悔しさをバネに、ますます意気込む今日この頃だ。

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